2017年1月29日日曜日

ツナグベイクの昼ごはん

寝ぐせ頭にすっぴん。
顔を洗い、丁寧に歯を磨く。
エプロンをギュッしめる。
白湯を飲む。
最短15分。

パン屋の朝は早い。
早いってもんじゃない。
ほぼ夜だ。
何かに出会うとしたら、夜空の星と月、冷たく澄んだ空気と新聞屋さん。
自然と星の配置や月のサイクルは頭に自動的にインプットされている。
こんな訳で、慣れるまでは生活スタイルを確立するのに、かなり時間がかかる。




君は休まないね。ホント。よい仕事したいんでしょ?
休むのも仕事だよ。
先生はニヤニヤと笑いながら青ペンを持って言ってた。
私の手は止まらなかった。むしろ更に動かした。

ようやく最近になって、やっと、ひと呼吸置くことを覚えた。
気持ちも違ってきて、気分屋の私も気持ちは安定して、
自ずと、美味しいパンが焼ける。


今年に入り、年末で鍛え上げられた私の手仕事は急に早くなった。
気持ちよく働くこと、身体のこと、いろいろと整えよう、スタッフとそう話をした。
お休みの日に農家さんから美味しい野菜などを購入し、
まかないご飯を作り始めた。
今、ツナグベイクは私含めて、3人いる。私はもともと料理が好きだ。
スタッフ2人は母親業もこなす。なので、簡単料理はお手のものだ。
ちなみに私は次の日の仕込みのない土曜日担当だ。 野菜大好きです!えへへ…みたいな感じの草食動物のような顔なのにあんたっ、肉しか食べないの?スタッフ2人はちと唖然としていた。
決して野菜が嫌いな訳ではない。
でもお肉のほうが圧倒的に勝る。
肉食動物とは私のことなんじゃ?とそう思う。
肉肉肉肉から肉肉野菜、肉肉野菜のリズムへ。
なので、私の野菜不足から、まかないは野菜中心ってことになった。
パン屋は結構な体力仕事だ。
独立をしようと決めてから大分、食事に気をつけるようなった。
まかないご飯を始めて、3人で楽しく笑いあう時間が増えたように思う。
それぞれ料理の仕方が違って、勉強にもなる。
どうやって美味しく食べさせようか?と朝からワクワクしている。

これから、ゆるりと楽しく続けていこうと思います。ツナグベイクの昼ごはん、、、なんて言ってさ、簡単に美味しいものを作れる料理人になりたいな。。。おしまい。



















2017年1月23日月曜日

甘く想う時間は続いていくのだから

上空を見ながら、ぼーっと考えつつ、また独り言を綴る。



冬の寒さを感じつつ、眩しいくらいの光を浴び、ポケットのiPhoneから流れる好きな音楽で全身を満たす。言葉の芸術のような小説を読みながら、ミルクのたっぷり入ったコーヒーを飲み大きく深呼吸を。生きているなぁ…なんて感じながら嬉しくなる。

お店のお休みの日、仕込みをする。
好きな音楽をかけ、涙目になるくらい気持ちを高ぶらせ、冬の光のように消えてなくなる前に、今想うモノを丁寧に途中経過を楽しみながら作る。

渡す人を想いながら出来上がったパンやお菓子をラッピングし、なんて言おうかな…喋れるかな…なんて思ったり思わなかったり…

甘く想う時間。

まぁ、よくやるわね。大変でしょう。
はい。
大変ですね。
でも気持ちが泡のように消える前にやらねばならないのです。

たまに寝ることも食べることも忘れてしまい、騒然な山を越えた後になんだか自由に作れる自分になっていて、口元は多分半笑いで、、可笑しなテンションで途中経過を楽しみながら作る。

甘く想う時間。


本屋に行くと、バレンタイン特集なんて雑誌がどっさり積まれていた。おそらく皆、多分チョコレートかなんかを渡すのだろうけど、その渡すまでの数日、生活の時間が一変する。まるで全身が温かいハチミツに覆われ、宙にふわふわと浮いた感じで、口で何を言ってるかすらわからない。あーでもない、こーでもない、なんて、、、いいながらも気持ちは高揚していて、ラッピングコーナーはそんな人達で混雑するのである。

気持ちってものは、掴んでも消えて、また掴んでも消えて。
明日には今の気持ちも過去になってしまう。
明日は今想うより強くなるのだろうか。
いや、だんだん薄くなって、やがて想うことも忘れて……やっぱりビールの泡みたいに消えてなくなるのかと。記録を取るべきか?そんなことを想いまた作る。
今をカタチに込めて。
想いが薄れてなくなるまえに。

大切な人を想う時間。
大切に作ることを慈しむ時間。
続いてゆくといいな。
もうすぐバレンタイン。
チョコレート買お。
甘く想う時間。











2017年1月15日日曜日

メニューは魂心漂流

去年は大変お世話になりました。
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
年末あたりまで、やること全てに時間がかかり、夜と朝がこんなにも近く、目蓋にセロハンテープを張ろうかなって思ったりした。爆音です!という売りの5個の目覚まし時計は、爆音で伝えているのに一向に反応しない私に困りかねて、最後には自ら力尽きて止まったり、毎朝、毛布に押し込まれてその姿は無残な感じになっていた。
パンを作ることに全ての魂を注ぎこみ、力尽きて眠る。
そんな生活が続いていた。
年始になり、走り続けた自分にご褒美を好きな洋服屋さんで素敵なコートを買い与えた。
その時、ついついこの生活を話していた。
変わります。変わりますよ。
落ち着いた声で、そうはっきりと確信を持って言ってくださった。
なんだか、霧がかかり消えそうな炎がまた心に宿るような気持ちになり帰宅をしたのだった。
そう、こう文章をまた綴ることを再開できているので、やっぱり少しずつ変わっているのだと今、実感して嬉しくなり、少し顔がにやけながら、パソコンに向かっている。

 年始になり、またパンのメニューはがらりと変わった。
何が今日はあるのかしら?そう言われることが多い。
私のメニュー作りは、頭にに浮かんでいるもので配合を組んで形にしていく。
素材の組み合わせが浮かんでくることもあれば、作ってみたい生地があることもある。
浮かばないと朝までopenギリギリまで粘る。
スタッフ、お客様には申し訳ないと思っているのだが、、今はこの手法でしか作れないでいる。
心で思うものには魂が宿ると思う。
エネルギーを纏うと言うのだろうか。
それを一番大切にしたいと考えている。
 だから、いつも同じものがあるとは限らないけれども、美味しくしてやろう!そういう気持ちが注がれたものを並べるようにしている。
そう。気まぐれだと言われる。
魂心漂流。
自由に歌うように作りたい。
料理もパンもお菓子も。そう、文章でさえも。
その時に心で思うものを、形に込めて、明日も美味しいものを歌うように作りたい。
進化しながら、丁寧に。こんなことを言葉で言うと簡単でかっこよく聞こえてなんだか恥ずかしい。普段、店頭に立たず、黙々と作る2017年私の目標であり、気持ちでもあります。
そんな気持ちを確認しながら、また言葉を綴る。
2017年もツナグベイク、いや、私、頑張りますので、応援を宜しくお願い致します。
1月の新作の写真を並べてみましたっ。

ツナグベイク 藤本由香利